ヴァイの日記 -スカンジナビア地域の昔話-
2005年9月22日
地中海にてバルバリア海賊相手にやり合った僕とアロン船長は、暫く地中海を離れ、北欧へ船を航行させた。
未だに、コペンハーゲンから先へはいっていなかったのだ。
北欧で必要な言葉を各地のギルド、知識人から教わりながら旅をする。
ハンザ同盟の中心地、リューベックで所用があるアロン船長とは分かれて、僕はさらに北西に進路をとった。
目的地は、ストックホルム。
ちょっと前までは、軍人達でにぎわった都市である。
理由は、海事ギルドが高報酬な依頼をだしまくっていたかららしい。
流石に大盤振る舞いした影響なのか、ずいぶん吝嗇なギルド長に代わり、その結果、多くの軍人達がこの地から離れたそうだ。
「かつての面影もないですな・・」
一時期、その軍人達の船に乗船していた航海士がため息交じりにつぶやく。
一攫千金を狙って集まった軍人達や軍人達に必要な軍事物資を運んでくる商人で相当にぎわっていたそうだ。
地元の住人や近海航海をおこなう船の乗組員の姿しか、下船した僕の目には入ってこなかった。
「まずは酒場だ」
ヘルメス号の乗組員を従え、僕は船乗り達の集まりそうな酒場に入った。
「いらっしゃい、船乗りさん。好きな席に座ってね」
以外なことに、酒場女の出迎えを受けた。
酒場は盛況・・・には程遠い状態だったが、地元の船乗り達が好奇の視線を僕らにおくる。
「おねーさん、彼らにラム酒を。僕には・・・」
酒を振舞い、僕はマスターに話しかける。
冒険者たるもの、酒場での情報収集は基本中の基本だ。
依頼を受けているときは、彼らはかなり重要な情報を教えてくれる事があるからだ。
「だんなはどっからきなすった?」
「僕はポルトガル王国の航海士さ。この前までは地中海を拠点に色々な探検をしてきた」
「ほほぅ、冒険者かい?」
「まだまだ半人前だけどね」
「ふーん。おお、そうだ。冒険者ギルドの斡旋人に依頼してるんだが、是非だんなに調べてもらいたい事があるんだ」
「調べてもらいたいこと?」
「ああ。ちょっと前に依頼したんだが全然音沙汰なしでさ。ある高貴な人間に頼まれたんだ。詳しくは、引き受けてくれた後話すが・・」
ここは冒険者は訪れないのか・・?
そんなことは無いと思うが、ここを訪れる冒険者の食指が動きにくい依頼なんだろうか?
「うーん。とりあえず斡旋人に話してからかな・・・。僕の技量でこなせない依頼だったら失礼だしね」
「このあたりの有名な昔話を色々聞きたがっているらしいんだ」
酒場のマスターの依頼の内容を斡旋人に尋ねると、すぐに教えてくれた。
「昔話?」
「ああ、すでに何人かの冒険者には依頼してるんだ。昔話っていっても色々あるしな。報酬は悪くないと思うがお前受けて見るか?」
「受けてもいいけどさ・・・どんな話がいいのかな?」
「そうだな・・・幽霊船の船長の話っていうのはどうだ?俺も内容までは知らないんだが。この街の住人に聞けば大体は分かると思うぞ」
話を聞いて回るのか・・。
ストックホルムの街中だけで終わる依頼だったら、有難いな。
船員の休息も必要だし、その間に小銭でも稼げれば万々歳だ。
いうまでも無いが、冒険者も金がかかる。
学者の本を閲覧するのに、一冊で500ダッカートも支払わなければいけないのだ。
いくら本が高価とはいえ、高すぎだよね・・。
「分かった、受けるよ。その幽霊船の船長の話を調べればいいんだね?」
発掘とか探索にはならないだろうと判断して僕はこの依頼を引き受けた。
その言葉に、斡旋人の顔がほころぶ。
「おう、有難い。マスターからは催促されまくっててな・・。宜しく頼むぜ」
依頼を引き受ける為の契約書を差し出しながら、斡旋人は僕の肩を軽く叩いた。
未だに、コペンハーゲンから先へはいっていなかったのだ。
北欧で必要な言葉を各地のギルド、知識人から教わりながら旅をする。
ハンザ同盟の中心地、リューベックで所用があるアロン船長とは分かれて、僕はさらに北西に進路をとった。
目的地は、ストックホルム。
ちょっと前までは、軍人達でにぎわった都市である。
理由は、海事ギルドが高報酬な依頼をだしまくっていたかららしい。
流石に大盤振る舞いした影響なのか、ずいぶん吝嗇なギルド長に代わり、その結果、多くの軍人達がこの地から離れたそうだ。
「かつての面影もないですな・・」
一時期、その軍人達の船に乗船していた航海士がため息交じりにつぶやく。
一攫千金を狙って集まった軍人達や軍人達に必要な軍事物資を運んでくる商人で相当にぎわっていたそうだ。
地元の住人や近海航海をおこなう船の乗組員の姿しか、下船した僕の目には入ってこなかった。
「まずは酒場だ」
ヘルメス号の乗組員を従え、僕は船乗り達の集まりそうな酒場に入った。
「いらっしゃい、船乗りさん。好きな席に座ってね」
以外なことに、酒場女の出迎えを受けた。
酒場は盛況・・・には程遠い状態だったが、地元の船乗り達が好奇の視線を僕らにおくる。
「おねーさん、彼らにラム酒を。僕には・・・」
酒を振舞い、僕はマスターに話しかける。
冒険者たるもの、酒場での情報収集は基本中の基本だ。
依頼を受けているときは、彼らはかなり重要な情報を教えてくれる事があるからだ。
「だんなはどっからきなすった?」
「僕はポルトガル王国の航海士さ。この前までは地中海を拠点に色々な探検をしてきた」
「ほほぅ、冒険者かい?」
「まだまだ半人前だけどね」
「ふーん。おお、そうだ。冒険者ギルドの斡旋人に依頼してるんだが、是非だんなに調べてもらいたい事があるんだ」
「調べてもらいたいこと?」
「ああ。ちょっと前に依頼したんだが全然音沙汰なしでさ。ある高貴な人間に頼まれたんだ。詳しくは、引き受けてくれた後話すが・・」
ここは冒険者は訪れないのか・・?
そんなことは無いと思うが、ここを訪れる冒険者の食指が動きにくい依頼なんだろうか?
「うーん。とりあえず斡旋人に話してからかな・・・。僕の技量でこなせない依頼だったら失礼だしね」
「このあたりの有名な昔話を色々聞きたがっているらしいんだ」
酒場のマスターの依頼の内容を斡旋人に尋ねると、すぐに教えてくれた。
「昔話?」
「ああ、すでに何人かの冒険者には依頼してるんだ。昔話っていっても色々あるしな。報酬は悪くないと思うがお前受けて見るか?」
「受けてもいいけどさ・・・どんな話がいいのかな?」
「そうだな・・・幽霊船の船長の話っていうのはどうだ?俺も内容までは知らないんだが。この街の住人に聞けば大体は分かると思うぞ」
話を聞いて回るのか・・。
ストックホルムの街中だけで終わる依頼だったら、有難いな。
船員の休息も必要だし、その間に小銭でも稼げれば万々歳だ。
いうまでも無いが、冒険者も金がかかる。
学者の本を閲覧するのに、一冊で500ダッカートも支払わなければいけないのだ。
いくら本が高価とはいえ、高すぎだよね・・。
「分かった、受けるよ。その幽霊船の船長の話を調べればいいんだね?」
発掘とか探索にはならないだろうと判断して僕はこの依頼を引き受けた。
その言葉に、斡旋人の顔がほころぶ。
「おう、有難い。マスターからは催促されまくっててな・・。宜しく頼むぜ」
依頼を引き受ける為の契約書を差し出しながら、斡旋人は僕の肩を軽く叩いた。
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