ヴァイの日記 -密命-
2005年7月11日リスボンで出会ったアルヴェロ。
彼と出会った事で、僕は今まで無縁だった世界に巻き込まれていった。
宰相ブラサンガ公爵からの密命。
それはアフリカ北岸で猛威を振るう海賊集団に誘拐された貴族を救う事だった。
海賊との戦闘を考え、ヘルメス号を戦闘仕様に改造する。
ロンドンの鋳造職人から購入した短距離砲、ラピッド・ファイア砲を装備し、銅の追加装甲で船の防御力を高める。
同じくして密命を受けた、冒険者仲間のアロン船長と共に、僕らはコルシカの島にある町、シラクサへ向かう。
「シラクサで海賊に身代金を払うんだったな」
上陸して開口一番に船長がいう。
「ああ、大人しく引き渡してくれればいいけどね」
「海賊だからなあ。油断しないようにしないとな」
しかし、用心したものの、僕らは失敗してしまった。
海賊にしてやられたのだ!
身代金だけ奪われてしまった僕らは直ぐに海賊を追う。
「ヴァイ、アロン船長!」
港の出航役人の前でまっていたのはアルヴェロだった。
「海賊みたいな連中が大急ぎで出て行ったが・・まさか!」
なんでアルヴェロが今回の密命を知ってるのか謎だったが、僕らは「逃げられた!」とだけ彼に伝えた。
「まだあいつらが出て行って時間は立っていない。急いで追えば間に合う!」
アルヴェロの言葉に僕とアロン船長は大急ぎで出航準備を始める。
「船長、いつでもでれますぜ!」
我が愛船ヘルメス号に乗り込んで直ぐに副長が声をかけてきた。
「ありがとう!直ぐに出航だ」
小型キャラックのヘルメス号と、最近新造したアロン船長のフリュート船、そしてアルヴェロの商用キャラックの3隻がシラクサの港を出港する。
近くと通りかかったポルトガル商船が手旗信号で逃げた海賊の方向を伝えてくれた。
「船長、どうやら海賊はチェニスに逃げ込んだと思われます」
航海士の進言に僕はうなずいた。
海賊どもの拠点がチェニスにあると言われているのは僕でも知っている。しかし、強大な艦隊を持つといわれるバルバロサ海賊の拠点に乗り込む事になろうとは!
手旗信号でアロン船長とアルヴェロにチェニス方面に進路を取ることを伝える。
「海賊船発見!」
見張りが声に、僕は戦闘準備の命令を出した。
あわただしく水夫達が動き回り、副長や航海士の怒声が響く。
「チェニスに逃げ込まれたら終わりだ。一気に叩く!」
敵の海賊はこの近辺でよく使われる小型の戦闘ガレー船だった。
相手は一隻のみ。
油断さえしなければ負けはしない。
「敵の足を止める。砲撃戦用意!」
向こうは我等の艦隊に気がつき、全力で逃げようとしていた。
必死にオールを漕ぐ奴隷と、罵声を浴びせる海賊の姿が見える。
「撃て!」
どどーん!との爆音が響き、敵のガレーに砲弾を浴びせる。
「命中!敵の帆を破りました!」
「もう一度砲撃!準備出来次第発射!」
装備してる砲は小型砲だけに、距離はないが、発射速度はとても速い。
「アロン船長の船が突入していきます!」
見れば、アロン船長はガレー船に白兵戦を仕掛けようと一気にフリュート船を寄せていこうとしていた。
「砲撃まて!今の角度だとアロン船長の船に当たる!」
僕は慌てて砲撃中止を命令する。
彼はなぜか白兵が好きなのを忘れていた・・・・・。
砲撃で船を破壊したうえで海賊を拿捕しようと僕は思っていたが、アロン船長は一気に突撃して海賊と捕まえるつもりみたいだ。
「万が一に備え、いつでも砲撃できる角度に」
操舵士に伝え、風向き、角度で有利な位置に船を動かす。
僕はこのとき、戦闘艦ではないアロン船長の船が逆に拿捕されてしまうのを警戒していた。
しかし、杞憂で終わった。
ガレー船から、時の声が上がるのをみてアロン船長が敵海賊を捕まえるのに成功したと思った。
「一気に寄せろ。僕もガレーに移る」
副長にそう命令を出し、僕はリスボンでこのときの為に購入したロングソードを抜いた。
彼と出会った事で、僕は今まで無縁だった世界に巻き込まれていった。
宰相ブラサンガ公爵からの密命。
それはアフリカ北岸で猛威を振るう海賊集団に誘拐された貴族を救う事だった。
海賊との戦闘を考え、ヘルメス号を戦闘仕様に改造する。
ロンドンの鋳造職人から購入した短距離砲、ラピッド・ファイア砲を装備し、銅の追加装甲で船の防御力を高める。
同じくして密命を受けた、冒険者仲間のアロン船長と共に、僕らはコルシカの島にある町、シラクサへ向かう。
「シラクサで海賊に身代金を払うんだったな」
上陸して開口一番に船長がいう。
「ああ、大人しく引き渡してくれればいいけどね」
「海賊だからなあ。油断しないようにしないとな」
しかし、用心したものの、僕らは失敗してしまった。
海賊にしてやられたのだ!
身代金だけ奪われてしまった僕らは直ぐに海賊を追う。
「ヴァイ、アロン船長!」
港の出航役人の前でまっていたのはアルヴェロだった。
「海賊みたいな連中が大急ぎで出て行ったが・・まさか!」
なんでアルヴェロが今回の密命を知ってるのか謎だったが、僕らは「逃げられた!」とだけ彼に伝えた。
「まだあいつらが出て行って時間は立っていない。急いで追えば間に合う!」
アルヴェロの言葉に僕とアロン船長は大急ぎで出航準備を始める。
「船長、いつでもでれますぜ!」
我が愛船ヘルメス号に乗り込んで直ぐに副長が声をかけてきた。
「ありがとう!直ぐに出航だ」
小型キャラックのヘルメス号と、最近新造したアロン船長のフリュート船、そしてアルヴェロの商用キャラックの3隻がシラクサの港を出港する。
近くと通りかかったポルトガル商船が手旗信号で逃げた海賊の方向を伝えてくれた。
「船長、どうやら海賊はチェニスに逃げ込んだと思われます」
航海士の進言に僕はうなずいた。
海賊どもの拠点がチェニスにあると言われているのは僕でも知っている。しかし、強大な艦隊を持つといわれるバルバロサ海賊の拠点に乗り込む事になろうとは!
手旗信号でアロン船長とアルヴェロにチェニス方面に進路を取ることを伝える。
「海賊船発見!」
見張りが声に、僕は戦闘準備の命令を出した。
あわただしく水夫達が動き回り、副長や航海士の怒声が響く。
「チェニスに逃げ込まれたら終わりだ。一気に叩く!」
敵の海賊はこの近辺でよく使われる小型の戦闘ガレー船だった。
相手は一隻のみ。
油断さえしなければ負けはしない。
「敵の足を止める。砲撃戦用意!」
向こうは我等の艦隊に気がつき、全力で逃げようとしていた。
必死にオールを漕ぐ奴隷と、罵声を浴びせる海賊の姿が見える。
「撃て!」
どどーん!との爆音が響き、敵のガレーに砲弾を浴びせる。
「命中!敵の帆を破りました!」
「もう一度砲撃!準備出来次第発射!」
装備してる砲は小型砲だけに、距離はないが、発射速度はとても速い。
「アロン船長の船が突入していきます!」
見れば、アロン船長はガレー船に白兵戦を仕掛けようと一気にフリュート船を寄せていこうとしていた。
「砲撃まて!今の角度だとアロン船長の船に当たる!」
僕は慌てて砲撃中止を命令する。
彼はなぜか白兵が好きなのを忘れていた・・・・・。
砲撃で船を破壊したうえで海賊を拿捕しようと僕は思っていたが、アロン船長は一気に突撃して海賊と捕まえるつもりみたいだ。
「万が一に備え、いつでも砲撃できる角度に」
操舵士に伝え、風向き、角度で有利な位置に船を動かす。
僕はこのとき、戦闘艦ではないアロン船長の船が逆に拿捕されてしまうのを警戒していた。
しかし、杞憂で終わった。
ガレー船から、時の声が上がるのをみてアロン船長が敵海賊を捕まえるのに成功したと思った。
「一気に寄せろ。僕もガレーに移る」
副長にそう命令を出し、僕はリスボンでこのときの為に購入したロングソードを抜いた。
コメント