ヴァイの日記 -思い出のくびかざり3-
2005年7月2日
「しかし、よく女王陛下が許可されましたね・・・これです」
ナント教会の司祭が奥から持ってきた、光り輝く宝石をちりばめた美しい銀製の首飾りを僕は拝謁させてもらった。
「これが・・・そうですか」
感嘆のため息をついて僕は首飾りを見つめた。
「そうです、ヴァイ卿。・・これは下世話な話かもしれませんが、この首飾りは噂話があるんですよ。アンリ殿下がご寵愛されたポワティエ夫人に最初はお贈りになったんですが、夫人が受け取らなかった為、カトリーヌ様に贈られたとか・・・まあ、噂話ですが」
ややおしゃべりな司祭の話に僕は苦笑した。
聖職者や宮廷貴族はどうもこの手の話が大好きみたいだ。
そこらへんの感覚がどうしても僕には理解できなかった。
一生理解したくないけどね。
「・・・・・母はいつも気を張り詰めて生きていました。でも、あの首飾りをみているときだけは、心が和んでいたようにわたくしには見えました。よくお茶をご一緒にしていたご婦人と、その首飾りを見ながら話し込んでいたのを覚えています・・・わたくしはそのご婦人が今でも何方かは存じませんが・・・」
女王のその話を語るときの、懐かしい過去を振り返る表情は美しかった。
彼女が僕に拝謁させてくれた理由は今でも分からない。
一度見せれば、その首飾りを見せろという人間が来なくなるのを期待してなのか、他に理由があったのか・・・・・。
考えて見れば、この依頼者たち・・倫敦の宝石商たち・・の思惑も分からない。貴族と結びついた宝石商たちが、首飾りの噂を知りつつ冒険者ギルドに依頼をだしてきたのか・・・?
正直、どんな思惑や薄汚い陰謀があるにしろ、僕はこういった人たちとは成るべく無縁でいたいし、関わりたくもなかった。
「オルレアン公アンリ殿下が愛する妻カトリーヌに贈った、美しい装飾品」
首飾りのスケッチの裏に、僕はこう書き添えて倫敦のギルドに仲介人に報告書と共に僕は引き渡した。
ナント教会の司祭が奥から持ってきた、光り輝く宝石をちりばめた美しい銀製の首飾りを僕は拝謁させてもらった。
「これが・・・そうですか」
感嘆のため息をついて僕は首飾りを見つめた。
「そうです、ヴァイ卿。・・これは下世話な話かもしれませんが、この首飾りは噂話があるんですよ。アンリ殿下がご寵愛されたポワティエ夫人に最初はお贈りになったんですが、夫人が受け取らなかった為、カトリーヌ様に贈られたとか・・・まあ、噂話ですが」
ややおしゃべりな司祭の話に僕は苦笑した。
聖職者や宮廷貴族はどうもこの手の話が大好きみたいだ。
そこらへんの感覚がどうしても僕には理解できなかった。
一生理解したくないけどね。
「・・・・・母はいつも気を張り詰めて生きていました。でも、あの首飾りをみているときだけは、心が和んでいたようにわたくしには見えました。よくお茶をご一緒にしていたご婦人と、その首飾りを見ながら話し込んでいたのを覚えています・・・わたくしはそのご婦人が今でも何方かは存じませんが・・・」
女王のその話を語るときの、懐かしい過去を振り返る表情は美しかった。
彼女が僕に拝謁させてくれた理由は今でも分からない。
一度見せれば、その首飾りを見せろという人間が来なくなるのを期待してなのか、他に理由があったのか・・・・・。
考えて見れば、この依頼者たち・・倫敦の宝石商たち・・の思惑も分からない。貴族と結びついた宝石商たちが、首飾りの噂を知りつつ冒険者ギルドに依頼をだしてきたのか・・・?
正直、どんな思惑や薄汚い陰謀があるにしろ、僕はこういった人たちとは成るべく無縁でいたいし、関わりたくもなかった。
「オルレアン公アンリ殿下が愛する妻カトリーヌに贈った、美しい装飾品」
首飾りのスケッチの裏に、僕はこう書き添えて倫敦のギルドに仲介人に報告書と共に僕は引き渡した。
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